新しい外科専門医制度について
日本医科大学外科専門研修プログラム
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日本医科大学外科専門プログラムについて
当プログラムは外科専門医取得を最初の目標とし,外科専門医取得後は各サブスペシャルティ領域科の専門医取得を目指すもので,原則3年間の研修プログラムで構成されている。日本医科大学外科専門プログラムの目的と使命は以下の5点とする。
- 1)専攻医が医師として必要な基本的診療能力を習得すること
- 2)専攻医が外科領域の専門的診療能力を習得すること
- 3)上記に関する知識・技能・態度と高い倫理性を備えることにより、患者に信頼され、標準的な医療を提供でき、プロフェッショナルとしての誇りを持ち、患者への責任を果たせる外科専門医となること
- 4)外科専門医の育成を通して国民の健康・福祉に貢献すること
- 5)外科領域全般からサブスペシャルティ領域(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺・内分泌領域)の専門研修を行い、それぞれの領域の専門医取得へと連動すること
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プログラムに参加する施設(基幹施設/連携施設)の概要
日本医科大学付属病院(基幹施設)と関連施設(23施設)により専門研修施設群を構成します。本専門研修施設群では133名の専門研修指導医が専攻医を指導します。
専門研修基幹施設 名称 都道府県 外科名 責任者名 日本医科大学付属病院 東京都 消化器外科 統括責任者 内田英二 心臓血管外科 統括副責任者 新田隆 呼吸器外科 統括副責任者 臼田実男 乳腺内分泌外科 統括副責任者 杉谷巌 統括副責任者 武井寛幸 専門研修連携施設 No 施設 都道府県 外科名 連携施設
指導責任者01 日本医科大学千葉北総病院 消化器外科 千葉県 消化器外科 宮下 正夫 日本医科大学千葉北総病院 乳腺科 乳腺内分泌外科 飯田 信也 日本医科大学千葉北総病院 新血管 心臓血管外科 別所 竜蔵 日本医科大学千葉北総病院 呼吸器外科 呼吸器外科 平井 恭二 02 日本医科大学武蔵小杉病院 消化器外科 神奈川県 消化器外科 鈴木 英之 日本医科大学武蔵小杉病院 新血管 心臓血管外科 井村 肇 日本医科大学武蔵小杉病院 呼吸器外科 呼吸器外科 窪倉 浩俊 日本医科大学武蔵小杉病院 小児外科 小児外科 高橋 翼 日本医科大学武蔵小杉病院 乳腺科 乳腺内分泌外科 蒔田 益次郎 日本医科大学武蔵小杉病院 内分泌外科 乳腺内分泌外科 赤須 東樹 03 日本医科大学多摩永山病院 消化器外科 東京都 消化器外科
乳腺内分泌外科吉田 寛 日本医科大学多摩永山病院 呼吸器外科 呼吸器外科 吉野直之 04 博慈会記念病院 外科 東京都 消化器外科
乳腺内分泌外科吉村 和泰 05 神栖済生会病院 外科 茨城県 消化器外科
乳腺内分泌外科高崎 秀明 06 坪井病院 外科 福島県 消化器外科
乳腺内分泌外科山下 直行 07 会津中央病院 外科 福島県 消化器外科
小児外科
乳腺内分泌外科
その他(救急含む)島貫 公義 会津中央病院 心血管外科 心臓血管外科
その他(救急含む)渡邉 正明 会津中央病院 呼吸器外科 呼吸器外科
その他(救急含む)山岸 茂樹 会津中央病院 救命救急科 その他(救急含む) 佐竹 秀一 08 北村山公立病院 山形県 消化器外科
乳腺内分泌外科山本 一仁 09 筑波記念病院 心血管外科 茨城県 消化器外科 坂本 俊樹 10 中頭病院 心血管外科 沖縄県 心臓血管外科 本田 二郎 11 花と森の東京病院 東京都 消化器外科 小平 祐造 12 東戸塚記念病院 神奈川県 消化器外科
乳腺内分泌外科有田 淳 13 東京臨海病院 呼吸器外科 東京都 呼吸器外科 榎本 豊 14 さいたま市民医療センター 埼玉県 消化器外科
乳腺内分泌外科
その他(救急含む)塩谷 猛 15 塩田病院 千葉県 消化器外科 塩田 吉宣 16 小林病院 北海道 消化器外科
呼吸器外科
乳腺内分泌外科
その他(救急含む)山本 康弘 17 秩父病院 埼玉県 消化器外科
小児外科
乳腺内分泌外科
その他(救急含む)花輪 峰夫 18 海老名総合病院 神奈川県 消化器外科 萩原 英之 19 埼玉県立がんセンター乳腺科 埼玉県 乳腺内分泌外科 松本 広志 20 平成立石病院 東京都 消化器外科
その他(救急含む)岩村 太郎 21 狭山中央病院 埼玉県 消化器外科
乳腺内分泌外科
その他(救急含む)渋谷 哲男 22 JA北海道厚生連札幌厚生病院 北海道 呼吸器外科 田中 浩一 23 国立がん研究センター東病院 千葉県 呼吸器外科 坪井 正博 -
専攻医の受け入れ数について(外科専門研修プログラム整備基準5.5参照)
本専門研修群の3年間NCD登録数は約29,400例で、専門研修指導医は133名のため、本年度の募集専攻医数は19名です。
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外科専門研修について
- 1)外科専門医は初期研修終了後、原則3年間の専門研修で育成されます。
- 3年間の専門研修期間中、基幹施設または連携施設で最低6ヶ月以上の研修を行います。
- 専門研修の3年間の1年目、2年目、3年目には、それぞれ医師に求められる基本的診療能力・態度(コアコンピテンシー)と外科専門研修プロクグラム整備基準にもとつづいた外科専門医に求められる知識・技術の習得目標を設定し、 その年度の終わりに達成度を評価して、基本から応用へ、さらに専門医としての実力をつけていくように配慮します。具体的な評価方法は後の項目で示します。
- 専門研修期間中に大学院へ進むことも可能です。大学院コースを選択して 臨床に従事しながら臨床研究を進めるのであればその期間は専門研修期間として扱われます。
- サブスペシャルティ領域によっては外科専門研修を修了し、外科専門医資格を習得した年の年度初めに遡ってサブスペシャルティ領域専門研修の開始と認める場合があります。サブスペシャルティ領域連動型については現時点では未定です(2016年1月)。
- 研修プログラムの修了判定には規定の経験症例数が必要です。(以下資料は、日本専門医機構ホームページ、専門研修プログラム整備基準、専門領域外科項目参照)
- 初期臨床研修期間中に外科専門研修基幹施設ないし連携施設で経験した症例(NCDに登録されていることが必須)は、研修プログラム統括責任者が承認した症例に限定して、手術症例数に加算することができます。
- (1)350 例以上の手術手技(NCD登録必須)
- (2)(1)のうち術者として 120 例以上の経験(NCD登録必須)
- (3)各領域の手術手技または経験の最低症例数
- ①消化管および腹部内臓:50例
- ②乳腺:10例
- ③呼吸器:10例
- ④心臓・大血管:10例
- ⑤末梢血管:10例
- ⑥頭頸部・体表・内分泌外科:10例
- ⑦小児外科:10例
- ⑧外傷:10点(症例数、講習会受講など細則あり)
- ⑨上記①~⑦の各分野における内 視鏡手術:10例
- 2)年次毎の専門研修計画
- 専門研修1年目
基幹施設に所属し研修を行います。
一般外科/麻酔/救急/病理/消化器/心・血管/呼吸器/小児/乳腺・内分泌
経験症例100例以上/1年(術者30例以上/1年) - 専門研修2年目
基幹施設もしくは連携施設群のうちいずれかの施設に所属し研修を行います。
一般外科/麻酔/救急/消化器/心・血管/呼吸器/小児/乳腺・内分泌
経験症例250例以上/2年 (術者120例以上/2年) - 専門研修3年目
連携施設群のいずれかの施設に所属し研修を行います。専門研修プログラム整備基準に準じた症例数を3年目12月末までに経験します。不足症例に関して各領域のローテートを考慮します。また規定症例数に達していれば希望によりサブスペシャルティ専門施設へのローテーションも考慮します。 - 3)研修の週間計画および年間計画
<必要症例数要>
初期研修において学んだ外科基本手技、診断・治療における基本的能力、プライマリケアの基礎的知識を生かし、基幹施設や連携施設の指導医による指導の下、チーム医療の一員として研修します。専攻医の研修は、毎年の到達目標と達成度を評価しながら進められます。なお習得すべき専門知識や技能は専攻医研修マニュアルを参照して下さい。
専門研修1年目では、基本的診断能力および外科基本的知識と技能の習得を目標とします。外科基本手技、各種手術の助手、外科処置、外科周術期管理、ラボ施設での外科手技研修を行い、低難度手術の術者も経験します。カンファレンス、論文抄読会、e-learning、基幹施設または関連施設主催セミナー・研究会などを通して自らも専門知識・技能の習得を図ります。
専門研修2年目では、基本診療能力の向上に加えて、外科基本的知識・技能を実際の診断・治療へ応用する力量を養うことを目標とし、低・中高難易度手術の術者や助手についても研修します。さらに学術として各種研究会・学会での発表も経験の経験を通して専門知識・技能の習得を図ります。
専門研修3年目はチーム医療において責任を持って診療にあたり、後進の指導にも参画し、リーダーシップを発揮して、外科の実践的知識・技能の習得により様々な外科疾患へ対応する力量を養うことを目標とします。また、専門医資格試験に必要な症例数に達するように過去2年間での研修で経験できなかった症例を研修します。カリキュラムを習得したと認められる専攻医には、積極的にサブスペシャルティ領域専門医取得に向けた技能研修へ進みます。また、研究会・学会発表および論文執筆についても研修します。下図に日本医科大学外科専門研修プログラムの凡例を示します。しかし下記の限りではありません。
パターン1 4~9月 10~3月 1年目 大学付属病院(千駄木)、基幹施設 2年目 大学付属病院(千駄木)、基幹施設 3年目 地域総合病院、連携施設 地域総合病院、連携施設 パターン2 4~9月 10~3月 1年目 大学付属病院(千駄木)、基幹施設 2年目 大学付属病院(千駄木)、基幹施設 3年目 大学付属病院(千駄木以外)、連携施設 パターン3 4~9月 10~3月 1年目 大学付属病院(千駄木)、基幹施設 2年目 大学付属病院(千駄木)、基幹施設 3年目 大学付属病院(千駄木)、基幹病院 大学付属病院(千駄木以外)、
地域総合病院の連携施設パターン4 4~9月 10~3月 1年目 地域総合病院、連携施設 2年目 地域総合病院、連携施設 3年目 大学付属病院(千駄木)、基幹病院 大学付属病院(千駄木以外)、
地域総合病院の連携施設日本医科大学外科研修プログラムでの3年間の施設群ローテートにおける研修内容と予想される経験症例数を下記に示します。内容と経験症例数に偏り、不公平がないように十分配慮します。
研修期間は3年間としていますが、習得が不十分な場合は習得できるまで期間を延長することになります(未修了)。一方で、カリキュラムの技能を習得したと認められた専攻医には、積極的にサブスペシャルティ領域専門医取得に向けた技能教育を開始し、また大学院進学希望者には、3年間の臨床研修に連動して研究を開始することができます。<経験症例数集積の一例>
<サブスペシャルティ領域などの専門医連動コース>
基幹施設または連携施設でサブスペシャルティ領域(消化器外科、心臓・血管外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌、小児外科)の専門研修を開始します。<大学院コース>
研修プログラム終了後、大学院に進学し、選択するサブスペシャルティ領域において臨床研究または学術研究・基礎研究を開始します。基幹施設(日本医科大学付属病院) 月 火 水 木 金 土 日 07:30~08:30 消化器外科・乳腺科カンファレンス 07:30~08:30 上部・下部消化管カンファレンス 07:30~08:30 心血管合同カンファレンス 07:30~08:30 呼吸器合同カンファレンス 07:30~08:30 肝胆膵カンファレンス 07:30~08:30 乳腺科カンファレンス 09:00~12:00 午前病棟業務 検査 13:00~16:00 午後病等業務 検査 09:00~12:00 午前外来 12:00~15:30 午後外来 09:00~ 手術 12:30~13:30 医局全体ミーティング 16:00~17:00 内分泌外科カンファレンス 連携施設の一例 月 火 水 木 金 土 日 07:45~08:30 術前カンファレンス 07:45~08:30 朝カンファレンス(抄読会、勉強会) 07:45~08:30 朝 合同カンファレンス(放射線科・消化器内科) 07:45~08:30 朝 合同カンファレンス(看護師・コメディカル) 08:30~09:30 病棟業務・回診 08:30~12:00 午前外来 13:30~17:00 午後外来 09:00~12:00 内視鏡検査 09:00~10:00 乳癌検診 09:00~ 手術 17:00~ 病棟回診 17:00~ 術前カンファレンス 研修プログラムに関連した全体行事の年間スケジュール(案) 月 全体行事予定 04月 外科専門研修開始。
専攻医および指導医に提出用資料の配布(日本医科大学ホームページ、研修センター部門内)
日本外科学会(参加/発表)05月 研修終了者:専門医認定審査申請・提出
日本呼吸器外科学会(参加/発表)
日本内分泌外科学会(参加/発表)
日本小児外科学会(参加/発表)06月 日本乳癌学会(参加/発表) 07月 日本消化器外科学会(参加/発表) 08月 研修終了者:専門医認定審査(筆記試験) 10月 日本胸部外科学会(参加/発表)
日本甲状腺外科学会(参加/発表)11月 日本臨床外科学会(参加/発表) 02月 専攻医:研修目標達成度評価報告書用紙と経験症例数報告書の作成(年次報告書)(書類は翌月に提出)
専攻医:研修プログラム評価報告用紙の作成(書類は翌月に提出)
指導医・指導責任者:指導実績報告用紙の作成(書類は翌月に提出)
日本心臓血管外科学会(参加/発表)03月 その年度の研修終了
日本腹部救急学会(参加/発表) - 到達目標(日本専門医機構ホームページ、専門研修プログラム整備基準、専門領域外科項目)
専攻医研修マニュアルの到達目標1(専門知識)、到達目標2(専門技能)、到達目標3(学問的姿勢)、到達目標4(倫理性、社会性など)を参照。 - 各種カンファレンスなどによる知識・技能の習得基幹施設および連携施設それぞれにおいて医師および看護スタッフによる治療および管理方針の症例検討会を行い、専攻医は積極的に意見を述べ、 同僚の意見を聴くことにより、具体的な治療と管理の論理を学びます。
- 病理合同カンファレンス:手術症例を中心に、とくに診断困難例の切除検体の病理診断を検討します。
- Cancer Board:複数の臓器に広がる進行・再発例や、重症の内科合併症を有する症例、非常に稀で標準治療がない症例などの治療方針決定について、内科など関連診療科、病理部、放射線科、緩和、看護スタッフなどによる合同カンファレンスを行います。
- 基幹施設と連携施設による手術手技・症例検討会:外科基本手技、周術期管理、まれな疾患、治療困難症例について基幹施設が中心となり定期的研究会開催を行っています。
- 各施設において抄読会や勉強会を実施します。専攻医は最新のガイドラインを参照するとともに、受け持ち症例の疾患についてインターネットなどによる文献検索を行います。
- 大動物を用いたトレーニング研修への参加、動物組織を用いたwet labo.、模擬器具やドレーニングデバイスを用いたdry labo.、教育DVDなどを用いて積極的に手術手技を学びます。
- 日本外科学会の学術集会(特に教育プログラム)、e-learning、その他各種研修セミナーや各病院内で実施されるこれらの講習会などで下記の事柄を学びます。
①標準的医療および今後期待される先進的医療
②医療倫理、医療安全、院内感染対策
- 学問的姿勢について
専攻医は、医学・医療の進歩に遅れることなく、常に研鑽、自己学習することが求められます。患者の日常的診療から浮かび上がるクリニカルクエスチョンを日々の学習により解決し、今日のエビデンスでは解決し得ない問題は臨床研究に自ら参加、もしくは企画する事で解決しようとする姿勢を身につけます。 学会には積極的に参加し、基礎的あるいは臨床的研究成果を発表します。さらにえられた成果は論文として発表し、公に広めるとともに批評を受ける姿勢を身につけます。研修期間中に以下の要件を満たす必要があります。(専攻医研修マニュアル- 到達目標3-参照)
①日本外科学会定期学術集会に基本的に毎年参加
②指定の学術集会や学術出版物に、筆頭者として症例報告や臨床研究の結果を発表 -
医師に必要なコアコンピテンシー、倫理性、社会性などについて(専攻医研修マニュアル-到達目標3-参照)
医師として求められるコアコンピテンシーには態度、倫理性、社会性など含まれています。
内容を具体的に示します。
- 1)医師としての責務を自律的に果たし信頼されること(プロフェッショナリズム)
- 医療専門家である医師と患者を含む社会との契約を十分に理解し、患者、家族から信頼される知識・技能および態度を身につけます。
- 2)患者中心の医療を実践し、医の倫理・医療安全に配慮すること
- 患者の社会的・遺伝学的背景もふまえ患者ごとに的確な医療を目指します。
- 医療安全の重要性を理解し事故防止、事故後の対応をマニュアルに沿って実践します。
- 3)臨床の現場から学ぶ態度を習得すること
- 臨床の現場から学び続けることの重要性を認識し、その方法を身につけます。
- 4)チーム医療の一員として行動すること
- チーム医療の必要性を理解しチームのリーダーとして活動します。
- 的確なコンサルテーションを実践します。
- 他のメディカルスタッフと協調して診療にあたります。
- 5)後輩医師に教育・指導を行うこと
- 自らの診療技術、態度が後輩の模範となり、また形成的指導が実践できるように学生や初期研修医および後輩専攻医を指導医とともに受け持ち患者を担当し、チーム医療の一員として後輩医師の教育・指導を担います。
- 6)保健医療や主たる医療法規を理解し、遵守すること
- 健康保険制度を理解し保健医療をメディカルスタッフと協調し実践します。
- 医師法・医療法、健康保険法、国民健康保険法、老人保健法を理解します。
- 診断書、証明書が記載できます。
- 施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方
- 1)施設群による研修
- 2)地域医療の経験
- 本研修プログラムの連携施設には、東京都内における地域医療の拠点となっている施設の他、全国各地の地域中核病院、地域中小病院が多く入っています。そのため、連携施設での研修中に以下の地域医療(過疎地域も含む)の研修が可能です。
- 地域の医療資源や救急体制について把握し、地域の特性に応じた病診連携、病病連携のあり方について理解して実践します。
- 消化器がん患者の緩和ケアなど、ADL の低下した患者に対して、在宅医療や緩和ケア専門施設などを活用した医療を立案します。
本研修プログラムで日本医科大学を基幹施設とし、また他の大学付属病院である日本医科大学千葉北総病院、日本医科大学武蔵小杉病院、日本医科大学永山病院の連携大学病院を連携施設として病院施設群を構成しています。また日本医科大学付属病院救命救急センターや日本医科大学武蔵小杉病院小児外科にて外傷や小児など一般外科では必要経験症例数が少ない疾患にも対応しています。
地域の中核病院が当プログラムに参加しており、多くの手術症例が経験可能です。プログラム全体として豊富な症例数を有しております。 専攻医はこれらの施設群をローテーションすることにより、多彩で偏りのない充実した研修を行うことが可能となります。大学だけの研修では稀な疾患や治療困難例が中心となる傾向となる場合もあります。この点、地域の連携病院でcommon diseasesの経験や多彩な症例を多数経験することで医師としての基本的な力を獲得します。このような理由から施設群内の複数の施設で研修を行うことが非常に大切です。指導内容や経験症例数に不公平が無いように十分配慮します。
施設群における研修の順序、期間等については、専攻医数、個々の希望するサブスペシャリティーの方向性、研修進捗状況、各病院の状況、地域の医療体制を勘案して、日本医科大学外科専門研修プログラム委員会が決定します。地域の連携病院では初期外来診療から始まり入院治療、そして術後フォローアップ等、責任を持った多くの症例を経験することができます。また、地域医療における病診・病病連携、地域包括ケア、在宅医療などの意義について学ぶことができます。以下に本研修プログラムにおける地域医療についてまとめます。専攻医研修マニュアル経験目標 3を参照。
- 専門研修の評価について
専門研修中の専攻医と指導医の相互評価は施設群による研修とともに専門研修プログラムの根幹となるものです。専門研修の1年目、2年目、3年目のそれぞれに、コアコンピテンシーと外科専門医に求められる知識・技能の習得目標を設定し、その年度の終わりに達成度を評価します。このことにより、基本から応用へ、さらに専門医として独立して実践できるまで着実に実力をつけていくように配慮しています。専攻医研修マニュアルの評価を参照。
- 専門研修プログラム管理委員会について
基幹施設である日本医科大学付属病院には、専門研修プログラム管理委員会と、専門研修プログラム統括責任者を置きます。連携施設群には、専門研修プログラム連携施設担当者と専門研修プログラム委員会組織が置かれます。日本医科大学外科専門研修プログラム管理委員会は、専門研修プログラム統括責任者(委員長)、副委員長、事務局代表者、外科の4つの専門分野(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科、小児外科(消化器外科が代行))の研修指導責任者、および連携施設担当委員なとどで構成されます。研修プログラムの改善へ向けての会議には専門医取得直後の若手医師代表からも意見を募ります。専門研修プログラム管理委員会は、専攻医および専門研修プログラム全般の管理と、専門研修プログラムの継続的改良を行います。
- 専攻医の就業環境について
①専門研修基幹施設および連携施設の外科責任者は専攻医の労働環境改善に努めます。
②専門研修プログラム統括責任者または専門研修指導医は専攻医のメンタルヘルスに配慮します。
③専攻医の勤務時間,当直,給与,休日は労働基準法に準じて各専門研修基幹施設、各専門研修連携施設の施設規定に従います。 - 修了判定について
3年間の研修期間における年次毎の評価表および3年間の実地経験目録にもとづいて、知識・技能・態度が専門医試験を受けるのにふさわしいものであるかどうか、症例経験数が日本専門医機構の外科領域研修委員会が要求する内容を満たしているものであるかどうかを、専門医認定申請年(3年目あるいはそれ以後)の3月末に研修プログラム統括責任者または研修連携施設担当者が研修プログラム管理委員会において評価し、研修プログラム統括責任者が修了の判定をします。
- 外科研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件
専攻医研修マニュアルの休止・中断等を参照。
- 専門研修実績記録システム、マニュアル等について
研修実績および評価の記録
外科学会のホームページにある書式(専攻医研修マニュアル、研修目標達成度評価報告用紙、専攻医研修実績記録、専攻医指導評価記録)を用いて、専攻医は研修実績(NCD登録)を記載し、指導医による形成的評価、フィードバックを受けます。
総括的評価は外科専門研修プログラム整備基準に沿って、少なくとも年1回行います。日本医科大学付属病院にて、専攻医の研修履歴(研修施設、期間、担当した専門研修指導医)、研修実績、研修評価を保管します。さらに専攻医による専門研修施設および専門研修プログラムに対する評価も保管します。プログラム運用マニュアルは以下の専攻医研修および指導者マニュアルを用います。- 専攻医研修マニュアル
別紙「専攻医研修マニュアル」参照。 - 指導者マニュアル
別紙「指導医マニュアル」参照。 - 専攻医研修実績記録フォーマット
「専攻医研修実績記録」に研修実績を記録し、手術症例はNCDに登録します。 - 指導医による指導とフィードバックの記録
「専攻医研修実績記録」に指導医による形成的評価を記録します。
- 専攻医研修マニュアル
- 専攻医の採用と修了
●採用方法
日本医科大学外科専門研修プログラム管理委員会は、毎年7月から説明会等を行い、 外科専攻医を募集します。プログラムへの応募者は、11月末日までに日本医科大学付属病院研修センターに所定の形式の『日本医科大学専門研修プログラム応募申請書』 および履歴書を提出してください。申請書は
①日本医科大学付属病院のwebsite
②電話で問い合わせ(03-3822-2131内線6752)
③e-mailで問い合わせ
消化器外科医局長 金沢義一:kanazawa-y@nms.ac.jp
心血管外科医局長 宮城泰雄:show@nms.ac.jp
のいずれの方でも入手可能です。原則として11月中に書類選考および面接を行い、採否を決定して本人に文書で通知します。応募者および選考結果については12月の日本医科大学外科専門研修プログラム管理委員会において報告します。